WEBサイトでは、京都が強い!
最強の観光・地域PR系WEBサイトを作る方法。
ゴールデンウイークでお休みを取られている方も多いと思う。
みなさんは、今回のGWに旅行へ行かれるだろうか?
さて、旅行クチコミサイト「TripAdvisor」の日本法人である
トリップアドバイザーの調査によると、
外国人観光客お気に入りの観光スポット世界総合ランキングでは、
第1位:広島県 宮島(厳島神社)
第2位:広島県 広島平和記念資料館(原爆ドーム)
第3位:長野県 松本城
という順位になっていた。
そこで、ゴールデンウイークということもあり、今回のブログでは、
根強い人気を持つ京都と、ランキング1位・2位の広島の
「観光WEBサイト徹底比較」をお送りしたい。
今回比較する観光WEBサイト

今回は、京都と広島を比較する上で、
2つのWEBサイトを比較した。
◇京都観光オフィシャルサイト 京都観光Navi
(運営:京都市産業観光局観光MICE推進室)
◇広島県観光ホームページ
(運営:社団法人広島県観光連盟)
それでは、実際の比較を行っていきたい。
最強観光WEBサイトを作る7つのポイント
上記の2つのWEBサイトを比較し、
「最強観光WEBサイトを作る7つのポイント」をご紹介する。

それでは、この7つのポイントについて詳しくご説明をしたい。
1 メインビジュアル

【京都】
京都のメインビジュアルでは、jQuaryを使って、
複数のキラーコンテンツへの導線としての画像バナーを
インタラクティブに動きを付けながら見せている。
FLASHを使っていないため、多種多様なディバイスで見ても、
きちんとユーザーは、様々な情報へ辿り着くことができる。
写真の画質も非常に高く、十分にユーザーへ訴求できている。

【広島】
広島のメインビジュアルは、グローバルナビゲーションの上、
WEBサイトのタイトルと合体した状態で、表示されている。
メインコンテンツに、いくつかキラーコンツへの導線となる
画像バナーが設置されているが、全て見るには、
ユーザーが自分自身で、画面をスクロールする必要がある。
画質は、JPEG圧縮の掛かり過ぎで、魅力が十分に伝わらない可能性がある。
メインビジュアルにおいては、京都の方が、
ユーザーに観光地としての魅力を伝えられる可能性が高いと言える。
2 画面構成

【京都】
京都の画面構成は、非常に優れている。
グローバルナビゲーションに主要なメニューを配置し、
その下に、メインビジュアルと「アクセスランキング」が表示され、
更にその下に、3カラム構成で「交通アクセス、イベント情報、おすすめ」が
表示され、ユーザーが迷わずに目的の情報を探せるようになっている。
「ランキング」や「おすすめ」はコンバージョン率アップに効果的であるし、
「交通アクセス」の詳細情報は、ユーザーにとって非常に重要な情報である。

【広島】
広島の画面構成は、ユーザーのスクロールが前提となっていて、
様々な情報が、コンパクトに収まっておらず、
若干、コンバージョン率が低下する可能性がある。
運用上の問題で、避けられないのかもしれないが、広告枠が気になる。
もし、広告枠を上部に表示させる必要があるならば、京都のように、
3カラム構成し、コンテンツバナーやメニューを上部に表示させた方が良い。
これに関しては、運営者やメディア自体の性質も関係するので、
一概には言えないが、京都の方が、より効果的な画面設計になっていると考える。
3 ユーザビリティ


【京都】
京都の場合、「検索する」がページ上部に他と分かれた形で表示され、
ユーザーが何の迷いもなく、検索できるようになっている。
また、グローバルナビゲーションも非常にシンプルでユーザーに優しい。
更に、上述のメインビジュアルに加えて、その他のコンテンツバナーも
jQuaryを使用して、非常にコンパクトに配置しながら、きちんと訴求している。
加えて、イベント情報を「印刷する」ボタンが表示されていて、
これも実際に旅行するターゲットにとって、便利な機能である。

【広島】
広島の場合、「検索する」が他の要素の中で若干埋もれている印象を受ける。
また、グローバルナビゲーションも詳しく書かれているのは良いが、
ボタンの配色もあり、少し情報量が重い印象を受ける。
京都には無く、広島にある「文字サイズの変更」機能は、
ご年齢が高いターゲッットにとって有効的である。
別枠で存在する「検索機能」は、様々な方法でユーザーが検索でき、
目的が明確なユーザーにとっては、非常に良いと考える。
ユーザービリティに関しては、あえてどちらが良いかというところまで
言及はできないが、個人的にはトータル的に京都の方が好みである。
ユーザーにいかにスクロースさせないかも、1つのポイントである。
4 検索方法

【京都】
上記でも言及したが、京都の方が、非常にシンプルにできている。
目的が明確に、具体的に決まっていないユーザーを巻き込む上では、
シンプルな検索方法の方が、コンバージョンに繋がり易いと考える。

広島の方が、様々なかたちで検索でき、
目的が具体的に決まっているユーザーにとっては便利である。
ただ、細かく分け過ぎると、より多くの情報にユーザーが辿り着かず、
結果的に、コンバージョン率が落ちる可能性もあり、検証が必要である。
これに関しても、あえてどちらが良いかというところまで
言及はできないが、運用を行う中で、ターゲットにとって、
何が最も効果的かを検証しながら、改善する必要がある。
5 他言語対応

【京都】
京都の方は、日本語と外国語が8カ国語で合計9カ国語となっている。
他言語対応としては、かなり多い方である。

【広島】
京都の方は、日本語と外国語が6カ国語で合計7カ国語となっている。
これも、他言語対応としては、多い方である。
他言語対応の数だけで言えば、京都の方が多い。
ただし、重要なのは、その観光エリアに誰が来ているかということだ。
きちんと調査を行った上で、その観光エリアに来ている人の
母国言語に対応することで、費用対効果をアップできる。
6 独自性

【京都】
全体的色調として、「和」や「伝統」を意識したものになっている。
その上で、親しみ易いシンルプな構成になっており、
見ていて、古い印象は与えない非常に良いWEBサイトである。
【広島】
大きなポイントとして、広島独自のイメージはあまり感じられない。
一部の装飾やメイン画像で訴求しようとしているが、
もう少しブランディングの観点からも改善の余地があると考える。
個人的には、京都の方が独自性が出ていると考える。
数ある旅行先候補の中から、その観光地へ来てもらうためには、
その土地の魅力を訴求することやブランディングも
コンバージョン率をアップさせる上で、重要なポイントになる。
7 ソーシャルメディア連動

【京都】
京都のWEBサイトでは、
Facebook、Twitter、Google+、mixiとの連携が
画面の一番上で、ボタンの設置によって行われている。
【広島】
広島のWEBサイトでは、特にソーシャルメディアとの連動は無い。
これからの市場規模を考えれば、海外にも目を向ける必要がある。
その際、ソーシャルメディアは非常に強力な集客ツールとなり得る。
できる範囲でも、その観光地のターゲットに適した
ソーシャルメディアを選択し、連動させることが必要になってくる。
まとめ
念のため補足すると、今回、2つのWEBサイトを比較・分析したが、
どちらの観光地が優れているかを分析したわけではない。
あくまで、観光PRのWEBサイトとして、
どちらがより強力なツールになるかを考えさせて頂いた。
7つのポイントということで、お話をさせて貰ったが、
この7つを突き詰めていくと、1つの答えに辿り着く。
いかに、自分のターゲットを調査・分析し、
いかに、そのターゲットの要望や欲求を考察し、
いかに、それをWEBサイトに反映させ、
その後、成果を分析しながらWEBサイトを改善できるかどうかである。
口で言うのは簡単だが、多くの人がそれができず、
成果に辿り着けていないのである。
しかし、逆を言えば、このサイクルを繰り返すことで、
WEBサイトは、確実に成果を上げていくものである。
また、WEBサイトのみならず、全ての販促物に対して、それは言える。
今回のブログ記事が、
観光PRや地域PRの広告・マーケティング・広報担当の方々、
観光協会や観光連盟の方々のお役に少しでも立てれれば幸いだ。